2011年4月28日木曜日

日本学術会議!

どうも、居候の吉野です。
先月「日本学術会議」にお邪魔してきました。
テーマは「東日本大震災からの復興に向けて」です。

以前僕が所属していた大学の教授と話していたときに「建築は今回の復興にどれだけ力を持つことができるのか」「行政の枠組み、流れの中では建築家の提案は機能しないのではないか」などなど生意気なことを垂らしていたら、今回の学術会議を観に行くことを薦められました。

さてさて色んな分野のお偉いさん方はどんな分析・提案をしていて、どのような復興を描いているのだろうか。

そんな期待を胸に六本木へ向かったのですが、建物に入るやいなや中にはお偉い(そうな)方々で同年代は僕一人でした。

別にフォーマルな服を着ている訳でもないし、名簿の所属が空欄。
受付のお姉さんの顔があからさまに「え?あんた誰ですか?」って感じでした。

しかもちょっと遅れて講堂に入ったので周りからの視線が痛い(ような)。



中の様子はこんな感じ。

前置きが長くなりましたが内容はこちらhttp://www.scj.go.jp/ja/event/pdf/h-110426.pdf

すべての内容をここに載せるのは相当な分量になってしまうので僕の感想だけ列挙します。

まず始めに「今回は原発についての議論はしない」と前置きがありました。
この議論における定義はかなり重要な気がしました。
原発問題を含めて考えると様々な問題が複雑かして議論が難しくなるので数式のように原発を括弧から外してまずは括弧の中で復興を議論しようってことですね。

まず今回の震災の歴史的意義として過去の日本の災害との比較が紹介されました。以外にも国の人口と被災者の比率をみると過去最悪ではないということ。

しかし、今までになく「負傷者が少なく死亡者が多い」と。
普通は死亡者よりも負傷者の方が多いのだが、これは津波による被害の特徴とのこと。
「1か0」これがはっきりしている。

復興については復興のパターンが提示され、ヒューマンウェア/ソフトウェア/ハードウェアの構図が示され、それぞれの間に被災者/支援者/行政の連携が必要と。

僕にとってこの「ヒューマンウェア」という言葉が目から鱗でした。言葉にしてみれば当然の概念ですが、いつもハード/ソフトのふたつで物事を整理していたから。(ソフトの括弧書きとしてヒューマンを考えるのではなくこの3つを三角形に考える点が目から鱗)

そして30年以内に首都直下型M7.3、東海地方にM9.0の地震が80%で発生すると言われているらしく、今回の東北における復興は単純に被災地だけの問題ではなく今後いつ何処でこのような災害に見回れようとも対処できるように国自体のシステムを変えなければならない問題であると。

てことで首都を東京にだけ据えるんじゃなくてクアッドコアにしてしまえばいいのになんてね。札幌、東京、大阪、福岡ってところでしょうか。もうちょっと多い方がいいかも。
行政は分割して縮小しないと明らかに動きが鈍い。国家をすぐに縮小するのは難しいけど分割を先にしてしまえば収縮可能になってくるんじゃなかろうか。しらねーけど。

そして「フェイルセーフ」のシステム強化。
http://ja.wikipedia.org/wiki/フェイルセーフ

現在、今回の震災の対策として叫ばれているような提案というのは昭和9年に既に提示してあったものと何も変わっていないらしい。昔と今では明らかに人々の生活や社会のシステムは変化している。現在の技術でこそ考えることのできる考えなければいけないシステムとは。

2011年4月27日水曜日

第一回「空鼠の勉強鼠」



どうも。居候の吉野太基です。

先日行われた第一回「空鼠の勉強鼠」について遅ればせながらご報告。
勉強鼠ってなんだ?ってのは前述の阿部の投稿を読んでいただけば分かると思うので、
ここではその内容を簡単にまとめてみたいと思います。


第一回ということもあり何を議題に取り上げようか迷ったんですが、
(専門は建築だけど)建築にフォーカスをあてるのは避けて、なんか全体の考えに共通するような話はできないか?ということで政治経済について話してみることに。
勿論そっちの方にはずぶの素人なので僕も一緒に勉強する感じでやってみました。


「功利主義」「共同体主義」「リベラリズム」「リバタリアニズム」について。
こうやって列挙されるともうなんだか意味わかりませーんって言いたい感じですが
これらがどういう考え方か「功利主義」以外を順番に簡単にいうと

「自由がすばらしい、そして伝統が大事だ。」
「自由がすばらしい、そして人権と平等が大事だ。」
「自由がすばらしい!」

といった考え方です。どれももともと自由主義に由来するので、それぞれ自由についての考え方です。そもそも「自由が正しい」と考えるのも近代のイデオロギーではあるけど、誰もそれを疑わない現状だと思うので、それを基盤とした自由を求める思想です。
「功利主義」については「結果オーライの思想」とでも言っておきましょう。



それらの違いを「言論の自由」を挙げて説明すれば、
リバタリアニズムの場合「自由がすばらしい」という思想なので誹謗中傷や嘘を含めてその人が発言するのは自由です。

しかし「人権と平等が大事だ」と考えているリベラリズムから言わせれば誹謗中傷は人権を犯してしまうのでNGになります。しかし言論の自由も掲げているのでその立場があいまいになってしまう訳です。

「功利主義」の場合「結果オーライ」の考え方なので「何が正しいかはその場で判断できないが、結果的に社会(経済)的にプラスになったら善」という考え方です。(しかし経済的な効果を優先して言論の自由を抑制してしまいがち)


別の例で「共同体主義」を説明すれば、
「朝昼晩 何を食べて、何時に起きるのも寝るのも自由だけど、伝統的に培った知識によって朝昼晩 何を食べて、何時に起きて何時に寝るかは決めた方がいいよ〜」といった感じです。
建築を例にすれば「伝統的な木造住宅がいいよね」って感じで、その方が実際町並みも美しくなり文化も保てますが「どんな建築を建てるのも自由」という考え方に矛盾してしまいます。共同体を擁護しすぎてしまうと個々の自由を侵害してしまう訳です。




この方は言わずもがな「ダーティ・ハリー(イーストウッド主演/監督)」ですが
彼は有名なリバタリアンで、「ダーティハリー」もリバタリアニズムの作品です。
簡単に言うと「自分が悪と思ったら容赦なく撃ち殺す」っていう刑事の話です。
もちろんそこには人権を擁護するリベラリストの上司が邪魔をするように描かれてます。

(「勉強鼠」での映画の解説は映画に詳しい阿部にしてもらいました。)

リバタリアニズムは特化した個人の自由を求める思想ですが、それは同時に「ちいさな政府」と「市場原理主義」の思想でもあります。(郵政民営化とかもこれ)

つまりは国家(共同体)が関与せず市場経済を動かせば人類みな幸福になれるという考え方で「アダム・スミス」の考え方が根底にあります。そのため元々は「古典的自由主義」と呼ばれていました。「リバタリアニズム」とは「リベラリズム(自由主義)」と区別させる為の造語です。
「戦争や不況、少子高齢化による世代格差的問題、、すべては国家が関係のない個人に不幸を招いている!」と彼らは提言しています。
「リベラリズム」は逆に「人権や平等の為には国家が必要」と考えています。



この辺の考え方は現状最大の問題の「福島原発」にも関わってきます。
国の考えの元で、個人に最悪の事態を招いている訳ですから。
「国際的支援」にもこれらの問題が関わるのですが(長くなるので)ここでは省くことにします。


結局今回なにが言いたかったかというと、
実際問題、例として上記してきた事柄は僕らにも無関係ではないことです。

つまりはどんな些細なことでも政治的な哲学が大きな枠組みで作用していて、
(それをいちいち引用しなくていいとは思いますが「俺はリバタリアンだから自由に嘘をつく!」とか)
そのような枠組みが世の中にあるというのを少しだけでも理解してると、多岐に渡った問題や考え方にプラスに働くと思うんです。知らないよりは。

今回はホント簡単に触れただけですし僕もまだまだ勉強中ですので今後も空鼠内で勉強し合って行きたいと思います。(上記に間違いがあったら教えてください)


それではアウトロとして勉強鼠でとりあげた「U2」の曲でも。
(U2のボーカル、ボノが行っているアフリカ救済支援が実はアフリカの貧困に拍車をかけている?という話を取り上げたのですがこの件に関しては自分で調べてください笑)









次回の勉強鼠は空鼠切っての鼠野郎、小山一平が担当します。乞うご期待!!

2011年4月26日火曜日

昨日の勉強鼠

初投稿ですね。こんばんは阿部圭佑です。
まず『勉強鼠』ってなんだ?ってところから説明します。
1人プレゼンターを決めて、その人が個人的に勉強している事をプレゼン、ディスカッションしてみんなで学びましょう。という会です。
そしてどうせだったら、空鼠内だけじゃなく、人を呼んだりした方が面白い!生中継しよう!とどたばた準備しまして、昨日は4人のお客さんを交えUst配信しました。


(左から郭さん、タガちゃん、倉島ちゃん
真ん中にいるのがユウシ。みんな遠いところ良く来てくれました!ありがとう!)












初回のプレゼンターは空鼠(居候の身)の吉野。
 「功利主義」「リベラリズム」「リバタリアニズム」「共同体主義」をキーワードとし、政治経済についての考え方をプレゼンしました。
(詳しい内容は吉野に後述してもらいましょう)

発表を終えた後、震災の事へ話を繋げそして、自分たちに出来ること・自分たちがすべきことを話し合いました。




そして今日、僕が先日行ってきた愛媛県でのプロジェクトの打ち上げがあり、
そこでムサビ基礎デザイン学科の宮島教授と話をしてきました。
宮島先生は実際に被災地に行きそして今、日本の林業の抱える問題点と震災からの復興を繋げるプロジェクトをしています。
そこでもやはり、専門家達も何をすべきか?というところで悩んでいるという話が出ました。
被災地はむやみに触れられないデリケートな状態で、具体的にどんな利益が生まれるかを考えなくてはいけない。しかも俊敏に動かなくては。




何かしなければ。でも何をすれば?と思っている人は空鼠と一緒に考えましょう。

2011年4月24日日曜日

4月24日(本日!) 空鼠の勉強鼠





空鼠の3階スペース(左の写真のとこ)で、今日の夜9時から勉強会を行います。
プレゼンターは空鼠居候の吉野太基。内容は「リバタリアリズム」「リベラリズム」「功利主義」「原理主義」がキーワード。







吉野の話の後に、今回の震災の事も含め、少しみんなで話ができればなあと思います。
ust配信予定→ http://www.ustream.tv/channel/勉強鼠

4月10日 空鼠オープニングパーティーの様子

更新がとどこっていて申し訳ない!


 4月10日の日曜日、僕含めた4人の作家の活動拠点となる「空鼠」のオープニングイベントをやりました。



 この花輪は、お世話になった不動産屋さんの社長が送ってくれました。
村上がこの日の会場づくりとして作った「六畳一間」という作品。



 作品「部屋のめがね」(友達が住んでる実際の部屋の間取りを再現して、めがねにしたものです。このシリーズはいまのところ世の中に10個あります)をつける客人のギタリストMike

 チーズと鼠の足跡の演出。気付いた人いるかな

 パーティーの時間が近づくと、お客さんが増えて来ました。


お客さんは、1番多い時(18時くらい)で100人近くいました!
これは、橋本匠によるパフォーマンス。彼はフンドシをよくつけています。








 19時半頃、Mikeがギターの弾き語りライヴをやってくれました!ロックンロールナンバーが多くて楽しかった。


Mikeのライヴが終わった後の、スーパーパーティーの様子。空鼠の3階で80人くらいの人と夜までパーティーしました。













というわけで、来てくれたみなさん、ありがとうございました!
これからもよろしくお願いします。


おしまい
(一部の写真はmonsuの撮影による物です。ありがとう。
 http://monsu22.blog3.fc2.com/blog-entry-239.html#more)

2011年4月22日金曜日

回想4

 これは1階の様子です。2階→3階の順番で改装して、最後に取りかかったのが1階です。天井をはがしているところ。
 天井を全部はがし終えたとき。床が真っ白になったので、濡れぞうきんで「空鼠」の文字を描いて記念撮影。お手伝いのお二人と小山と村上が写ってます。
はがした天井に、あたらしく石膏ボードをとりつけているところです。けっこう思いので1枚貼るのに最低3人は要ります。










石膏ボードを貼り終えて、隙間をパテ埋めしているところ。この日はお手伝いさんがたくさん来てくれました。
これはギャラリーのための壁を建てているところ。
壁にペンキを塗ってるところです。みんなお手伝いに来てくれた人達です。
残りの2面の壁をつくっているところ。
壁が建て終わり、レールライトを付けてるところ。すごく綺麗になったと思います!

回想3



こちらは、3階にもともとあった畳をなおしているところ。畳表(ゴザ)だけが汚かくて、たたみ本体は割と綺麗だったので、畳表をはがして、ひっくり返して、一般的な針と糸とガムテープでぬいつけました。これを14枚くらいやりました。








そうやってできた畳の床の上に、単管で2列2段ベッドをつくりました。5畳半の部屋に4人で寝ています。このベッドは、どのお客さんにも驚かれます。

回想2



こちらも2階の改装中の様子。ガスコンロの台にこびりついた鼠の小便などを、スチームクリーナーで掃除する小山。スチームクリーナーも鼠みたいなかたちをしています。










壁にあいた穴をパテ埋めする阿部。阿部はパテ埋め名人です。
壁のパテ埋めとペンキ塗りがひと通りおわったら、床にベニヤを貼って、新しい床を作ります。写ってるのは村上と、お手伝いに来てくれた女の子二人。
これはベニヤを貼り終えて、ニスを塗った後。こんなかんじになる。ベニヤの表情が1枚1枚違って良い感じ。












つづく

2011年4月20日水曜日

アトリエ改装回想1

アトリエ空鼠は浅草の小さなビルを一棟借りて自分たちで1〜3階の内装をいろいろ好みに改装しています。

ネットが改装工事が終わってから入ったので、思い出しつつ改装工事の出来事などをつづっていこうと思います。


←二階の様子。最初は前入居者がへたくそに塗った壁や鼠のウ○コが散乱していたりしました。


←二階の壁の一部。
穴が空いて躯体がみえていました。鼠が入って来ないようにビニールでキモチ補強。

2011年4月18日月曜日

空鼠の基本情報

「空鼠」とは、武蔵野美術大学、東京藝術大学を卒業した4人組が浅草のテナントビルを改修して立ち上げたアトリエ兼ギャラリー(兼住居)のことです。

1階がアトリエ/ギャラリー、2階が事務スペ―ス、3階が茶の間/寝室になっています。

空鼠の4人はそれぞれ作品を作り、1階のギャラリーで展示したり、アーティストや学生を集めてイベントや勉強会をしたりしています。

・メンバー
阿部圭佑
小山一平
橋本匠(山山山)
村上慧 http://matsudoke.jugem.jp

・所在地
〒111-0023 東京都台東区橋場1−7−5


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・行く方法
浅草駅から徒歩20分
浅草駅から自転車(吾妻橋の近くにあるレンタサイクル屋で、1台1日200円で自転車が借りられます)
浅草駅から都営バス200円(東42乙系統 南千住車庫行)で「東京都人権ブラザ」下車徒歩一分
東42甲系統 東浅草下車徒歩3分  

北めぐりん 今戸二丁目下車徒歩一分(20時で終バス 100円)
南千住駅から徒歩20分


・貸しギャラリーについて

空鼠では学生やアーティストの出会いを広げたい目的でギャラリーを貸しています。


現在貸しギャラリーは行っておりません。



メール: soranezu@gmail.com

その他、改修やチラシデザイン、ワークショップ企画など、割と何でも承ります。

まずはメールください
①代表者の名前
②メールアドレス
③展示人数、期間
を書いて
soranezu@gmail.com
まで




















天井高さ約2650mm